(本記事は、2024年4月10日に更新したものです)
2022年10月11日から開始されたサービス「ことら送金」。
「ことら送金」とは、10万円以下の個人間送金が、携帯電話番号やメールアドレスを使って、安価な手数料(2024年4月10日現在では無料)で、送金できるサービスです。
「ことら送金」専用のアプリは存在せず、「ことら送金」に対応しているスマートフォンアプリを利用することでサービスを受けることができます。
本記事では、「ことら送金」の魅力とその安全性、手数料がなぜ無料なのかなどについて、徹底解説していきます。
1.「ことら送金」の運営会社と安全性について
「ことら送金」の企画・運営を進めているのは、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行の都市銀行5行が共同出資して設立した「株式会社ことら」(2021年7月)になります。
会社名 | 株式会社ことら |
所在地 | 東京都中央区日本橋兜町8番1号 |
株主 | 株式会社みずほ銀行 株式会社三菱UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 株式会社りそな銀行 株式会社埼玉りそな銀行 |
設立日 | 2021年7月1日 |
会社ホームページ | https://www.cotra.ne.jp/company/ |
日本を代表する大手銀行が中心となって設立された「株式会社ことら」なので、破産リスクが低く、セキュリティ対策にも期待ができそうですね。
2.「ことら送金」で何ができる?
「ことら送金」では、1回10万円を限度額として、
・自身の別の口座に資金を移動する
・飲み会などで、友達と割り勘する
・夫婦や親子間で送金する
などを目的とした、資金移動を、スマートフォンアプリ内で実施することができます。
口座番号のみならず、電話番号やメールアドレスだけでも送金が可能なので、口座番号を知られることがなく送金ができるのも嬉しいポイントです。
3.「ことら送金」の仕組みとは?
「ことら送金」を利用するには、「送金する側」と「受け取る側」がそれぞれに
・「ことら送金」に対応している金融機関の口座(4章で解説)
・「ことら送金」に対応しているスマートフォンアプリ(6章で解説)
の2点が必要になります。
「ことら送金」専用のスマートフォンアプリは存在せず、「ことら送金」に対応しているアプリのいずれかを選んで利用することになります。
「ことら送金」は、金融口座番号・携帯番号・メールアドレスのいずれかで送金が可能ですが、金融口座番号で送金する場合に限り、「受け取る側」は、スマートフォンアプリの登録は必要ありません。(携帯番号やメールアドレスで送金する場合は、「受け取る側」もスマートフォンアプリが必要です)。
4.「ことら送金」は大手銀行、多数の地方銀行と提携可
2024年4月10日現在で、「ことら送金」に対応する金融機関は、284行です。
みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、りそな銀行の大手銀行の他に、多数の地方銀行や信用金庫に対応しています。
→「ことら送金」提携金融機関の詳細は、ことら公式HPをご覧ください。
楽天銀行や、PayPay銀行、イオン銀行などのネット銀行に対応していないのが残念です。(2024年4月現在)
5.「ことら送金」は手数料無料!その理由は?
「ことら送金」を利用する際の送金手数料は金融機関が決める仕組みになっていますが、2024年4月10日時点では無料で送金ができるようになっています。
「送金手数料が無料」が実現した理由は、以下2点と言われています。
・現金を管理するために必要な金融機関の業務負担を削減できるため、銀行の収支はトータルで改善すると考えられているため。
・「PayPay」など、銀行を介さない大手IT企業によるキャッシュレス決済への対抗策として、銀行間口座での送金を可能として銀行を使ってもらうため。
「ことら送金」の手数料が、今後有料になる可能性はありますので、利用前に、アプリまたは金融機関サイトを必ず確認するようにしましょう。
6.「ことら送金」は、専用アプリが不要。
「ことら送金」は、専用のスマートフォンアプリは存在せず、「ことら送金」に対応しているアプリに利用することで可能となります。
以上が、2024年4月時点の「ことら送金」に対応アプリですが、アプリによって利用可能な金融機関が異なります。(利用可能な金融機関の詳細はこちらを参照ください。)
ほとんどの「ことら送金」対応アプリは、使える金融機関が限定的ですが、次にご紹介する「J-Coin Pay」「BankPay」という2つのアプリは、利用可能な金融機関が多いです。
「ことら送金」するならこのアプリ『BankPay』
「Bank Pay(バンクペイ)」は、全国の金融機関が加盟する”日本電子決済推進機構”が運営するスマホ決済サービスです。
運営会社 | 日本電子決済推進機構 |
サービス開始 | 2019年10月 |
アプリの機能 | Bank Pay加盟店のお店でのコード決済、請求書払い、ことら送金 |
決済可能店舗 | イトーヨーカドー、セブンイレブン、ケンタッキーなど(詳細はこちら) |
ポイント還元 | なし |
提携銀行 | みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行など(詳細は、公式HPよりご確認ください) |
ことら送金上限金額 | 1日あたり10万円 |
ことら送金手数料 | 無料 |
ダウンロード | https://jeppo.jp/bankpay/ |
日本電子決済推進機構は、デビット決済(銀行口座からの即時引き落とし)の「J-Debit」を運営しており、「Bank Pay」は、「J-Debit」をスマートフォンアプリで利用できるようにしたものです。
つまり、「Bank Pay」は、チャージ不要で、銀行口座から直接支払うことが可能です。(他アプリでは、一旦電子マネーにチャージをしてから銀行口座に送金するものが多い)
▶「Bank Pay」アプリのダウンロード・初期設定の方法はこちら
▶「Bank Pay」ことら送金の方法はこちら
「ことら送金」するならこのアプリ『J-Coin Pay』
「J-Coin Pay」は、みずほ銀行が運営する送金・決済アプリになります。
運営会社 | みずほ銀行 |
サービス開始 | 2019年3月1日 |
アプリの機能 | お店での支払う、請求書払い、送金、入出金 |
決済可能店舗 | ローソン、セブンイレブン、ウェルシア、ガストなど(詳細はこちら) |
ポイント還元 | なし(ボーナス還元キャンペーンが適宜実施されている) |
提携銀行 | みずほ銀行、三菱UFJ銀行、ろいきん、JAバンク、イオン銀行など(詳細は、公式HPよりご確認ください) |
ことら送金上限金額 | 1回あたり10万円(1日あたり25万円(J-Coin Pay内の送金と合算)) |
ことら送金手数料 | 無料 |
ダウンロード | https://j-coin.jp/ |
「J-Coin Pay」で、ことら送金をするには、提携銀行からJ-Coin Payに一旦チャージをして、(ことら送金に対応した)金融機関に送金することになります。
「Bank Pay」と同じく、「J-Coin Pay」も支払いでのポイント還元はありませんが、ポイント還元キャンペーンが適宜開催されています。
▶「J-Coin Pay」の初期設定・ことら送金の方法はこちら
7.「ことら送金」のデメリットは?
これまで、「ことら送金」のメリットについて解説してきましたが、「ことら送金」のデメリットについても説明していきます。
提携銀行が限定的
「ことら送金」は、ゆうちょ銀行、メガバンクや多数の地方銀行や信用金庫などに対応していますが、その一方で、楽天銀行や、PayPay銀行、イオン銀行などのネット銀行には対応していません。
専用のスマホアプリが存在しないため、わかりにくい
「ことら送金」は、専用のスマホアプリが存在せず、「ことら送金」に対応しているアプリを利用することになります。
既に、「ことら送金」に対応しているアプリをお持ちの方にとっては、都合が良いですが、対応アプリをお持ちでない方にとっては、「ことら送金」対応アプリをどれにするか選ぶところからのスタートになってしまいます。
送金手数料0円は、金融機関が決められる。
「ことら送金」の手数料は、金融機関によって決められるため「無料」という縛りはありません。
2024年4月10日時点では、すべての金融機関において送金手数料0円を実現していますが、今後有料となる可能性もあるでしょう。
8.ことら送金の提携可能アプリでキャンペーン開催中!
「ことら送金」の設定完了、または利用することで、ギフトカードなどがプレゼントされるキャンペーンが各スマホアプリで実施されています。
「ことら送金」を利用する際には、必ずキャンペーン参加方法をチェックしましょう!
9.さいごに
いかがでしたでしょうか。
「ことら送金」とは、10万円以下の個人間送金が、携帯電話番号やメールアドレスを使って、安価な手数料(2024年4月10日現在では無料)で、送金できるサービスです。
まだ、PayPay銀行などのネット銀行とは未提携ながらも、ゆうちょ銀行や、メガバンクなど利用者数の多い金融機関には対応しています。
「ことら送金」を使えば、同僚との割り勘や、夫婦・親子間での送金、別口座への資金移動を場所を選ぶことなく簡単に手続きすることができますので、とても便利です。
是非みなさん、一度利用してみてはいかがでしょうか。
以上